今年1月に胃癌治療ガイドラインが改訂された。胃癌診療は先人(多くは外科医,病理医)の卓越した尽力により,わが国が世界をリードしてきたと自負している。治療方針(ガイドライン)も,その偉大な先人の経験,見識に基づいて定められてきた。しかしながら,昨今はビッグデータによる確固たるエビデンス(RCT)が求められる時代になってきている。本特集の項目はいずれもガイドラインの改訂内容を構成するものであるが,すべてビッグデータからの結果である。ひと昔前は,外科領域ではそのようなエビデンス構築は困難と考えられていたものであるが,時代の流れを感じずにはいられない特集となっている。
1 stage Ⅳ胃癌に対する減量手術
藤谷和正(大阪急性期・総合医療センター消化器外科主任部長/JCOG胃がんグループ)
辻仲利政(市立貝塚病院外科・名誉院長/JCOG胃がんグループ)
2 脾摘
布部創也(がん研有明病院消化器センター胃外科副部長)
佐野 武(がん研有明病院副院長/消化器センター長/消化器外科部長)
3 網囊切除
黒川幸典(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学)
土岐祐一郎(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学教授)
4 食道胃接合部癌へのリンパ節郭清
山下裕玄(東京大学大学院医学系研究科消化管外科学講師)
瀬戸泰之(東京大学大学院医学系研究科消化管外科学教授)