「しびれ」の診療にあたり,「しびれ」の発生機序を理解することは日常臨床において大いに役立つ。しびれの原因は,神経障害性と非神経障害性に大別すると理解しやすい。神経障害性の「しびれ」は,感覚受容器から末梢神経を介して脊髄,視床,大脳皮質感覚野に投射されるまでのいずれの部位の障害でも発生する。さらに,非神経障害性の「しびれ」には,末梢循環,代謝・内分泌,過換気などに起因する疾患が含まれる。
「しびれ」の診療において最も大切なのは問診である。しびれの具体的な内容,しびれの分布,しびれはどこから始まり,どのように進展したのかの詳細な問診により原因疾患が特定されることが多い。さらに本特集では,上肢の「しびれ」,足の「しびれ」をきたす代表的な疾患の鑑別診断を紹介する。
1 問診講座─ここがポイント
野村恭一(埼玉医科大学総合医療センター神経内科教授)
2上肢の「しびれ」の鑑別診断
長谷川 修(横浜市立大学附属市民総合医療センター/横浜市立大学名誉教授)
3足の「しびれ」の鑑別診断
成川真也(埼玉医科大学総合医療センター神経内科)
野村恭一(埼玉医科大学総合医療センター神経内科教授)