医療の進歩は著しく,遅れないように常に知識をリフレッシュしていかなければならない。各診療科から出版されているガイドラインは我々臨床医にとってバイブルであり,信頼できる教科書である。しかしながら,現在非常に多くのガイドラインや指針,提言が存在しており一般の医師にとってすべてを理解し,実践することは困難であろう。日本産科婦人科学会からも「産婦人科診療ガイドライン―産科編」「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編」「ホルモン補充療法ガイドライン」の3冊が発刊されているし,サブスペシャリティー領域にもそれぞれガイドラインが存在する。ガイドラインに記載されている内容は現在の標準であり,十分に理解する必要があるため,読むのにも集中力が要求される。
今回の「今、話題になっていること―婦人科編」はガイドラインに記載されていない内容である。これからの診療の中心になる可能性のあるトピックスと従来の手技を改めて考える内容をピックアップした。ガイドラインと違って,気楽な気持ちで読んで頂ければ幸甚である。
1 卵巣癌の免疫療法
滝 真奈 万代昌紀
2 婦人科悪性腫瘍に対する鏡視下手術
寺井義人
3 子宮内膜症に対する薬物療法
明樂重夫
4 遺伝性乳癌卵巣癌症候群
鈴木佳世 岡本愛光
コラム PCOSの多孔術
福井淳史 福原理恵 柴原浩章
コラム 婦人科手術での後腹膜縫合
田畑 務