エコー検査と言えば誰しもが心臓,腹部,頸動脈などの主要臓器を対象とした検査を想像しがちだが,20年程前よりリウマチ性疾患にも導入され,「関節エコー」の名で知られるようになった。しかし,これまでの筋骨格系表層エコー検査は画質が不鮮明であり,患者さんからも揶揄された経験があるほどだ。近年イノベーティブな高周波probeの登場により筋骨格系の様々な疾患の特異的所見の描出が可能となった。関節リウマチは勿論のこと,これまで関節リウマチと鑑別が困難であった疾患の確定診断や,血液検査にまさるとも劣らない治療評価判定にも関節エコーは用いられるようになった。何よりも同法は無侵襲かつ簡便に行える検査として脚光を浴びており,関節エコーを軸にした疾患アプローチから多くのエビデンスも確立されてきている。今回の特集では関節エコーの特性を生かした各疾患への応用と最新のエビデンスに関して紹介したいと思う。
1 関節リウマチ
川㞍真也(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科先進予防医学共同専攻地域医療学分野講師)
川上 純(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科先進予防医学共同専攻リウマチ・膠原病内科学分野教授)
2 結晶誘発性関節炎
原 良太(奈良県立医科大学リウマチセンター/整形外科)
3 乾癬性関節炎
岡野匡志(大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学病院講師)
万代幸司(大阪市立大学大学院医学研究科整形学外科)