最近承認された持続血糖モニター(CGM)の動向には目を見張るものがある。なぜなら,これらは糖尿病診療の質を大幅に向上させるポテンシャルを持ちうるからである。2017年9月に,FreeStyleリブレの保険点数が決定し,2018年12月には,本格的なリアルタイムCGMである,ガーディアンTMコネクトと,Dexcom G4®の保険点数が決定した。これらは,記録したデータを検査終了時に解析し,遡って患者指導に生かすという今までのCGM機器とは大きく異なり,CGM装着者が,今現在の血糖値・血糖変動を把握できるため,より良い血糖コントロールを可能とする。これらの中で,機能が突出して優れているのは,ガーディアンコネクトであろう。使用者が設定した値(低血糖,高血糖ともに使用者が設定可能)に到達する時間より60分も前に警告できる。さらに,スマートフォンを介して,装着者のデータを家族で共有することさえも可能である。
今回の特集は,この道のエキスパートの先生方に筆を執って頂いた。糖尿病診療もここまで進化しているという現状を理解して頂き,よりよい血糖コントロールをめざす際の一助になれば幸いである。
1 flash glucose monitoring(FGM)─海外の動向も含めて
廣田勇士(神戸大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科)
2 ガーディアンTMコネクト
髙橋 紘,西村理明*1(東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科 *1教授)
3 Dexcom G4®からG6®まで
黒田暁生(徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センター准教授)
*CGMが測定しているのは,皮下間質液のグルコース濃度であるが,血糖値を推定するように補正されるために本特集では,本機器が示す値も血糖値と呼称する