化膿性脊椎炎は,実臨床の現場で診断の遅れや初期対応のまずさが目立つ代表疾患のひとつである。難治例や重症例に遭遇するたびに,医師の卒後教育がいかに重要であるかを痛感させられる。
本疾患は,専門性の如何にかかわらず臨床医であれば,その診断と治療に精通していなければいけないcommon diseaseであることを改めて強調したい。そして,その正しい初期対応を身につけることは良医となるための必須事項である。
本特集では,「化膿性脊椎炎にどう対処するか」と題して,医療現場に最新の良い知識が届くように特集を組ませて頂いた。明日からの実診療にお役立て頂ければ幸いである。
1 化膿性脊椎炎の原因と発生機序
安藤宗治(関西医科大学整形外科病院教授)
2 化膿性脊椎炎の起炎菌同定と抗菌薬治療
森平 泰(獨協医科大学整形外科学講師)
3 化膿性脊椎炎およびその後遺症に対する手術治療─経皮的後方固定の有用性
長田圭司(和歌山県立医科大学整形外科学講座)
山田 宏(和歌山県立医科大学整形外科学講座教授)