時代は令和に入り、医療の「大転換期の大詰め」を迎えている。このような時代の全体思考の一助になればと考え、話題を提供したい。
前回までの①〜⑤に加え、今回からは「地域医療連携推進法人」の話題を取り上げたい。特に前回、島根での果敢な取り組みを各地域における医療展開のモデルケースとして紹介したが、わが町京都での動きも紹介させて頂く。2024年7月認定のため、厚生労働省のホームページにも出たばかりであり、日本医事新報読者への最新の情報提供としてはこのタイミングが最良と判断した。
京都府知事からの承認後としては、日本で初めての文書での紹介となる。いくつかのパートにわけての説明となるため、今回はこの制度について簡単に解説したい。
2014年の「医療介護総合確保推進法」施行後、各都道府県において「地域医療構想」の策定が責務となった。さらに2015年に「医療法」の一部改正が行われ、2017年4月より「地域医療連携推進法人制度」という枠組みが施行された。その詳細を『識者の眼』で解説するにはあまりにも内容が膨大であるが、2023年度末までに全国で39法人が各都道府県知事より認定を受けて設立されており、2024年度に新規で6法人のみが登録された。一般社団法人(おそらく日本では7万法人程度存在)が、地域医療調整会議、医療審議会などでの公的な議論をクリアし、その後、都道府県知事認定承認を受け、初めてこの特別な法人設立が可能である。各都道府県に1つか2つ程度まで認定されるイメージとなる。
この枠組みは一般的には知らない方のほうが多いと思うが、医療機関が「M&A、傘下に入る」などで枠組みを崩すことなく、「参加連携と連帯」を行うことでより一塊となったダイナミックな地域医療計画を各都道府県で展開するための1つの方法として策定されたという経緯がある。
もともとは、各地域の医療の質を落とさずに医療費抑制するための新しいスキームとして2013〜14年頃の内閣の産業競争力会議にて出てきた発想であったようだが、現時点では「競争」より「協奏」のイメージで、経済産業省から厚生労働省に管轄移管していると理解している。
内容としては京都府の公式ホームページに出ているように、この枠組みのメイン事業を在宅医療に極振り転換して動かせばどうなるか、チャレンジしてみようということだが、次回以降で設立経緯などを解説していく。
守上佳樹(よしき往診クリニック院長、一般社団法人KISA2隊OYAKATA)[地域医療連携推進法人][大転換期][チーム医療][KISA2隊][Just2Ys League]
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