新型コロナ後遺症は多彩な症状が出現します。倦怠感、疲労感、頭痛、睡眠障害、思考力低下、記憶障害、長引く微熱、食欲不振、うつっぽい、咳、痰、呼吸困難、味覚障害、嗅覚障害、咽頭痛、のどの違和感、鼻水、下痢、逆流性食道炎、嘔吐、吐き気、動悸、胸痛、頻尿、インポテンツ、関節痛、筋肉痛、筋力低下、ホットフラッシュ、生理不順、ドライアイ、結膜炎、脱毛、爪の異常、皮疹、登校不可、などなどです。
すべての診療科に関わるのです。コロナ後遺症が急増している現状では、コロナ後遺症外来を掲げるクリニックや病院だけで、すべてのコロナ後遺症の患者を診ることは不可能です。コロナ後遺症の特徴は保険適用の検査で特別な異常が出ないことです。ですから、コロナ後遺症の患者はすべての医療機関で診察加療を行う必要があります。
そしてコロナ後遺症に有効な可能性がある保険適用の治療はBスポット治療(上咽頭擦過療法)と漢方薬だけです。Bスポット治療は耳鼻科の先生にお任せするしかありませんが、漢方薬はそれぞれの専門家が使用可能です。
漢方薬は西洋医学的サイエンスが登場する前の知恵です。ですから、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験(正解)がなくても保険適用されています。折角保険適用され、そして医師免許があれば誰でも処方できる漢方薬でまずコロナ後遺症の患者の治療を行いましょう(納得解)。詳しくは『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』(新興医学出版社)をご覧下さい。
コロナ後遺症を患う人は漢方的には虚証です。虚証とは気力も体力もない人です。ですから、朝鮮人参と黄耆を含む参耆剤がファーストチョイスになります。148種類の保険適用漢方薬の中に参耆剤は10種類存在し、僕のイチオシは加味帰脾湯です。僕が「こころの参耆剤」と呼んでいるものです。そんな参耆剤を基本処方として、いろいろな症状に合わせて漢方を併用します。
そして、保険適用の漢方薬治療(出雲漢方クリニックの遠隔診療を勧めています)を数カ月行っても治らないときは、僕のクリニックでは自費診療を行います。当院では明らかな抗がんエビデンス(Gut.2018;67:2006-16)を獲得した世界初の生薬フアイア(Huaier)を使用しています。漢方らしく低下した免疫はアップさせ、亢進し過ぎた免疫はダウンさせます。こんな魔法のような生薬を漢方薬に加えたフアイア加味方で加療しているのです。
新見正則(オックスフォード大学医学博士、新見正則医院院長)[正解のないときは納得解を求めよう!③]
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